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□10 乙女心はふわふわと
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赤司と別れてから、
先程のことを思い出しては
お風呂の中や
ベットの中で悶えていた。


(「すみれ…っ
と、呼んでもいいか…?)

あの時のあなたの真剣な瞳、
優しく私を包み込んだ、細いのに
がっしりした腕。

私は、さらにあなたのことが
好きになった。


…今日は金曜。
次に赤司と会えるのは 2日後の
月曜ということになる。

(2日かぁ… 長いなぁ)

なんて考えてしまう自分に苦笑する。
つい1週間ほど前まで
あなたを眺めているだけで
満足だったのに…

どんどん欲張りになってしまっている。

(私…これ以上、欲張りになったら…)

《ピロロンッ》

“ビクっ”

近くに置いていた携帯から
着信音が流れた。

『あれ…? さつきちゃんからだ』

慌てて電話に出ると、

「もしもしー?すみれちゃん? こんばんはっ」
『さつきちゃん…っ
こんばんは。 どうしたの?こんな時間に。』

「んーっ。 なんかさ、すみれちゃんと恋バナしたいなーって思っちゃったんだよねーっ」

“えへへっ”

と、電話ごしに照れたように笑うさつきに、
自分も同じような気持ちだったことを伝えた。

「やっぱり。すみれちゃんも そういう気分になることもあるよねっ」

“今日はお互いたくさん語ろ?”

と言われ、
さつきの黒子との話を聞いたり、
私と赤司の今日あったことを
話したりして、
ガールズトークは一晩中途絶えることは無かった。

(女の子と話すのって…
やっぱり心がふわふわして楽しいな…)

改めて、そう思えた夜だった。

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