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□7 感謝に包まれた朝
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朝、早めに家を出て
学校に行くと、
教室には1番目に来たのであろう
黒子が席に座って本を読んでいた。

「おはようございます。吉田さん。」

『おはよう。黒子くん…‼』

黒子は すみれにとって
唯一の男子の友人だ。

同じ図書委員として仕事をしているうちに、本の好みが同じなことがきっかけで、よく話すようになった。

そんな黒子に感謝の気持ちを込め

“これ…”
『昨日の家庭科部の活動で作ったんです。 良かったら…
いつも仲良くしてくれるお礼です。』

と、赤司とは違い、水色のリボンでラッピングしたそれを渡すと、

「ありがとう、ございます…。
吉田さんは、本当に優しい方ですね。」

“こっちがお礼を言いたいくらいです”

とまで言われ、2人で笑いあっていると

「テツくーーんっ あれ⁉すみれちゃんもいる!今日早いねっ」

と私の次にさつきちゃんが来た。

『あ、さつきちゃん…!これ、昨日作ったの。いつものお礼っ』

と言って、桃色のリボンが結ばれたそれを見ると、彼女は
目をキラキラ輝かせて

「んもーっ すみれちゃん、だいすき‼ありがとーっ」

と喜んでくれた。 すると
思い出したように、
“あ、”
「さっき昇降口で赤司くんに会ったんだ。で、これをすみれちゃんにって。」

(…?なんだろう。)

さつきから渡された手紙を開くと
【吉田さんへ
昨日は、有難う。とても美味しかったよ。お礼と言っては何だが、
今日、バスケ部を見学しに来ないか?
…待っている。 赤司 】

と書かれていた。
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