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□6 お礼のお菓子
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次の日。

授業が終わり、
バスケ部の練習があるさつきと別れた後、
週1回の家庭科部の活動をするために、

すみれは1人、
調理室へと向かった。

事前に

“お菓子作りをする”

と聞いていたので、
エプロンと三角巾を、
トートバッグに入れている。

…このエプロンは、お母さんが作ってくれたものだ。
柄は 赤のギンガムチェック、
前でキュッとリボン結びができるようなデザインになっていて、
とても可愛いらしく、すみれのお気に入りだ。


調理室に着くと、
私以外のほとんどの生徒は
そろっていて、
あとは顧問の先生を待つだけ
という感じだった。


トートバッグから、
エプロンと三角巾を取り出し
お菓子を作るとき
邪魔にならないよう、
髪を2つに結って準備を整えていると
ちょうど顧問の先生がやって来た。


「えー 今日は“カップケーキ”を
作りたいと思います。
材料はこちらで用意しているので、各自始めてくださーい」


「「はーい」」


……みんな、好きな材料を選んで取り掛かり始めた。

(私は、どんなのにしようかな…)

机の上にある材料を見て、
少しだけ悩み、

(よし。これを使おうかな。
あ、これ……)


すみれは あることを思いつき、少しだけわくわくした気持ちで、カップケーキを作り始めた。
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