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□1 君との約束
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───かすかに、下校時間を知らせるチャイムが聴こえる。


すみれは、学校の図書室で図書委員としての仕事をしていた。
(もう 帰らなきゃ…
でも、もう少し片付けてから。)



本が大好きなすみれは、
山積みの本をそのままにしておくことができず、仕事をつづけていた。

ふと、夕陽でオレンジに染まっている外を窓からみると
赤い髪の あの人がいた。

(あ、赤司くんだ……)


帝光中のほとんどの女子が好きになったことであろう、“赤司征十郎”は
2年にして帝光バスケ部主将を
つとめている。
もちろん、スポーツだけではなく、
テストでは
毎回 学年主席の頭の良さで、
何より、イケメンということもあり
女子からの人気は絶大だ。


(赤司くん。
今日も、かっこいいなぁ…)

───私もその中の1人。
この図書室からは、
体育館がよく見え、
放課後のだれもいない図書室から
赤司が
バスケをしている姿を見るのが、
すみれの特別な時間だ。


もちろん。赤司と両想いになりたいなど思ったことはない。
ただ、ひっそりと想いを寄せているだけでいいのだ。

(あぁ、バスケ頑張ってるな…
私も、見習わなきゃ!!)

そう思って、すみれは
また、黙々と仕事を続けていった。
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