その少女、即ち

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「………」


「黙っちゃってどうしたの?」


未だ上昇し続けるエレベーターの上での会話


今この場には二人の他に誰もいない


会話以外で聞こえてくるのはエレベーターの機械音だけだった


「……すまぬがコムイ殿
ここではない、部屋のような場所で二人きりで話せはしないだろうか?」


何処か重々しく、言いづらそうに端正な顔立ちの少年が口を開く


青年というには幼いが、少年というのも憚られる


それはこの者の雰囲気や話し方が落ち着いており、何故か背筋が伸びるような緊張感が常にあるからだ


顔立ちが幼く見える為一見アンバランスだが、それがギャップとなって寧ろバランスを取っているのかもしれない



「それじゃあ司令室に行こうか
誰にも邪魔されないように手配しとくね」


それとコムイでいいよ、と付け加えエレベーターの操縦席にある通信ボタンを押し、司令室に人を通さないよう伝える


きっと大事な話なのだろう、彼はまだ苦虫を噛み潰したような顔をしていた
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