不死の研究

□無理かもしれない
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無理かもしれない

この世界に来てから早3ヶ月経ち、いろいろわかった事がある。
まず、この世界には原因不明の病と年々増え続けているゾンビと呼ばれるバケモノがいる。
病は主に13歳以下の子供たちがかかるらしく、この病にかかったら最後、どうする事も出来ないらしい。
ゾンビは、この病にかかった者の最後の姿。病にかかってから約5日で細胞が壊れ、壊死したり膨張したりして肉体が変形。脳にも細菌により異変が起こり、最終的に生き物を襲うバケモノになるんだとか。倒すには脳を破壊するしかない。

「お坊っちゃま、お時間です」

ウォ「今行く」

俺は、この世界では国の王子となっていた。そのため、かなり楽に情報収集が出来た。
今日は新しい使用人が来るらしく、あいさつをしろとの事。その使用人にはひとり1人息子がおり、仲良くしてほしいと父さんに言われていた。

「今日からここで働く事になりました。サーロンと申します。この子は息子のフェアクトです。よろしくお願いします」

紹介されたのは、同い年くらいの金髪で緑目の少年。右目には眼帯がしてある。
それにしても何処かで見たことがあるんだよな、コイツ。それに、フェアクトって、まさか…。俺の予想が当たっていれば、仲良くしてほしいってのはちょっと無理かもしれない。

フェ「よろしくお願いしま…ブッフォ!」

おい、何笑ってんだお前。俺だってこんなスーツ似合ってない事ぐらいわかってるんだ。
俺は安久斗ことフェアクトにひくついた笑みをつくり手を差し出した。

ウォ「フェアクトだね。俺はウォーア。よろしく」


・ウォーア…前世の名前は大河玲。この世界では国の王子となった。

・フェアクト…前世の名前は福田安久斗。この世界では使用人の息子となった。
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