◎友達でいられるなら

□#01
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再開は高校時代の同窓会。

彼女を見たのは実に6年ぶりだった。

昔と変わらず色白い肌で
眉が少し下がって困り顔。

少し変わったと思ったのは
高校生だった頃にはない"色気"が
出てきて大人っぽくなったこと。


「もしかして…ぱるる?」


私がふいに声をかけると


「…久しぶりだね、由依」


優しく微笑んだ彼女
ぱるること島崎遥香が
私をジッとみつめた。

昔と変わらない声にホッとする。


「…どうしたの?」


「いや、何かな…?

 一瞬ぱるが変わっちゃったかな
  
 って…思ったんやけど…」


「私は私だったでしょ」


「…うん、ぱるはぱるやったわ」


見た目は多少違えども
やはり目の前にいる彼女は
昔の彼女のままの部分も沢山で。


「ぱるる、元気にしてたん?」

「うん」

「仕事は何してるん?」

「一応、ファッション関係」

「お洋服好きやったもんな、ぱる」

「…由依」

「ん?」


ザワザワとする部屋の中でも
何でか聞こえちゃう彼女の声。

それはやっぱり……


「ここ、うるさいから

 帰り道話さない?」

「…うん、そうやな」

「約束ね」

「うん、ぱる呼ばれてんで」

「…行ってくる」

「いってらしゃい」


ドクン 


ドクン 


ドクン 


ドクン


「……っーーーアカン……」


『私、ぱるが好きなんや……』


心臓の音も

手離したくない気持ちも

全て

この終わりの見えない

片想いのせいなんやろうか?
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