タロット ガッシュ
□12 吊された男
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受難の相。
逆さに吊された男が描かれるカード。
意味は「犠牲」。
タロットの他ではあまり描かれない、奇妙な図像ですね。
これにあてはめるのは、ロデュウ。
蝙蝠みたいな羽が生えてて、蜘蛛みたいな模様の体で、爪も歯も尖ってて、凶悪な笑い方で。なのになんか受難のキャラだから。
あの、清麿が復活してからの第11の術マーズ・ジケルドン、さらに鬼麿降臨から息継ぎ、回復液の一連の流れが。
「もうロデュウは立つこともできんな」
「ああ、死んじゃいないだろうが、もうダメだな」
ロデュウの受難は、古典的な「吊された男」の描かれ方。拷問あるいは刑罰、見せしめとしての逆さ吊り。
「吊された男」は「殉教」や「自己犠牲」または「通過儀礼」と、いろいろな意味合いを持たされてるけど、あまりに高尚な解釈はむしろ胡散臭く感じたり。
ちょっと情けない感じの自業自得っぽい、宙ぶらりんの「吊された男」にロデュウをあてはめると、すごくらしい。
…理不尽ですね。
ロデュウ
宙ぶらりんの反逆者。
ロデュウは悪党です。徹頭徹尾、その風貌から言動からどこをとっても悪党。
ファウードのコントロール室で、キャンチョメ、ティオ、ウマゴンを一体ずつ狙って処理していくところは特に非道。
ファウードの力を得て、今までの粗暴な戦い方がさらに凶悪になるけど、もともと好戦的だったから違いが見えないくらいに。
彼は悪党というか、無法者なのだと思う。
欲望に忠実で我が儘で。
既存の秩序とか権威に従わずに、したいことだけを勝手にするだけの横暴な魔物。
反抗する自由。
「ゼオン、てめえ、誰に向かって命令してやがんだ!!?」
「オレは笑うぜ。どんな状態になろうと、『オレの体』なんだからよ!!!」
ロデュウって、本当にちぐはぐで矛盾してる。躊躇いもなく酷いことをするのに、パートナーはしっかり守る。あまつさえ、役立たずだ大嫌いだと言いながら、前を向けと抱き寄せる。
実はいい奴なのか、やっぱり嫌な奴なのか、計算高いのか、馬鹿なのか、どっちつかずで裏腹なのは、宙ぶらりんの「吊された男」だから、ですかね。