タロット ガッシュ
□10 運命の輪
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運命の出会い。
巡り合わせを象徴する車輪をまわす運命の女神が描かれるカード。
ガッシュの話の運命の分岐点といったら何といっても、コルルとの出会いと別れでしょう。
「私は…王になりたいとも 王になれるとも思ってはいない… だが… コルルが泣いている時… コルルが消えてゆくとき… とても悔しかったのだ…」
コルルが戦いで誰かを傷つけることを拒んだとき、ガッシュにできることは何もなかった。
だからこそ彼女が願った「やさしい王様」がガッシュの望みになった。
もともと優しくて正義感の強いガッシュだけど、自分のためだけなら王になりたいと思わなかっただろう。
王を決める戦いは非情なシステムで、選ばれた100名の魔物はすべて争いから逃れられない。それは散らばる玉が弾かれて一つずつぶつかりあうような、偶然に操作された必然によるものだ。
王を決める戦いの主催者について、魔界では何もわかっていない。
それ故、神の試練とも呼ばれている。
戦いの詳細も選ばれた魔物にしかわからないし、嘘や間違いがそのまま伝えられていることもあるだろう。
タロットの運命の女神は目隠しをしたまま運命の車輪をまわす。
車輪は「本」で、運命をまわしたのはコルル。
そして「やさしい王様」が玉座についた。
巡り合わせが運命。
コルル
逃れられない運命。
心やさしい魔物のコルル。
彼女にとって、王を決める戦いは辛いものでしかない。
魔界の家族から離れて人間界をさ迷い、パートナーと出会うまで術も使えなくなり、出会えれば魔物同士で戦わなくてはならない。
まして、彼女の術は戦うための強化系。
守りや回復ならまだ彼女の心にそった戦いができたかもしれない。
でも、魔物同士を戦わせる本のせいなのか、術が力を求めたせいなのか、彼女とは真逆の人格が現れて無差別に暴れてしまった。
ガッシュとしおりがコルルを止めてくれたけれど、パートナーを傷つけたことが彼女には耐え難かった。
大切な人を「傷つけたくない」のが、彼女の優しさ。
彼女は、自分の術が誰かを傷つけることしかできないと知っていたように思える。
「傷つけたくない」から彼女は本を燃やすことを選んだ。
優しいけど弱くて、少しだけ嘘つきだ。
金色の本で、彼女が持っていた「シン・ライフォジオ」。
光で包んだ命をどんな場所でも守ってくれる、とても優しい術。
あれは強化の術を極めても生まれない。
そして術は心からの強い願いからしか生まれない。
王を決める戦いを拒んだからこそ生まれたのかもしれない。
あの術は金色の本でしか現れない幻のような術で、魔界の彼女は実際には使えない…そんな気がします。