How to love

□出会い
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「こちらの部屋を使うと良い」

ハルディアさんに案内されたのは
本当に客人に使わせる部屋なのかと
思うぐらい豪華だった。


木の実と星の欠片のような輝きを発する石を散りばめたドレープカーテン。
そこを開ければ、木の大きな窪みに敷き詰められた銀色の葉。
その葉に被さるように敷かれた純白の
シーツ。


「私には勿体ない部屋ですね…」

自分の世界でこんなホテルがあったら
いくらするのか知れたもんじゃない。


「今着ている衣服はまだ半乾きだろうから変えを用意した。着替えるように」

「わざわざありがとうございます」

ハルディアから服を受け取るとナナシはその場で制服を脱ぎ出した。

「?!何をしている」

「何って、着替え」

「今するのか!?」

ハルディアはスカートを脱ごうとする
ナナシの手を制する。

「今しなくていつするんですか」

キョトンとするナナシに溜息を吐くと

「私が出ていってから着替えてくれ、では」

制していた手を離しハルディアは部屋から出て行こうとした。


「ハルディアさん!その、色々とありがとうございました」


深々と頭を下げるナナシに、一瞬目を見開いたが、いつもの真顔に戻り、いえ、と軽く頭を下げ部屋から出て行った。




「…にしても」

渡された服を両手に持ち、広げて見る

「私には絶対似合わないでしょー」

ギリギリ地面につかない長さの純白のドレス。袖と胸元はレース仕様でかなり

「かなり…胸が危ない…」

大きい人には良いだろうが私みたいな
貧相なのだとちょっと残念な感じに
なりそう…
だからと言って折角用意してもらったのだ、着ないわけにはいかない。
制服も半乾きだし…


だが着てみると案外しっくりくるもので、その場で一回転してナナシは嬉しそうに微笑む。

「お姫様みたい…」

お母さんもこんな事してたのかな…
もっとちゃんと話を聞いとけば良かった。

「うわっ!ふっかふか!!」

ナナシは木の窪みに腰をおろすと、その敷き詰められた葉の柔らかさと反発力に驚く。

横になれば、シーツ越しとはいえ葉々に埋もれる感覚に陥る。


「気持ちいい…」


ナナシは目を閉じ自然の香りを楽しみながら眠りについた。
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