小説
□お昼の一角
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お昼だ。
皆が待ちに待ったお弁当の時間…早弁している人もいるが。
この高等魔法学校では、お弁当を食べる場所は汚さなければ自由であり、教室で静かに食べている人もいれば、外で集まって食べている人もいる。
〜
「お前また購買のパンかよ飽きろよ」
中庭のベンチの前でそう言った、どこか威圧感のある彼女、ライズは友達のディザに対して、ニヤニヤと笑いながら、見下ろ…見下している。
「毎日味は変えてる。メロンパン食うか?」
「おうよ」
その様子を見ながら、二人の友達であるドーターは少し呆れているようだった。
「ディザ、栄養のバランスが崩れて…もう崩れてますが。野菜を食べなさい野菜を」
ドーターは自分の弁当に入っている、レタスやらトマトやらをディザの口の中に突っ込んだ。ディザは驚いて、口をもごもごと動かしていた。やっとのこと飲み込んで、ドーターに向かってこう言った。
「なんかね、メロンパンの甘味とトマトの酸味が合わさってなんとも言えない味になったわ」
「そうですか。ちゃんと野菜は摂って下さいね?」
ディザとドーターが言い合っている間にも、ライズは黙々と肉を頬張っていた。二人を見ながら、満足そうに。
end
我が家のオリ棒の学生さん達です。