【音楽は愛故に。】
□第4音
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―――side レン―――
亜実と和解できて神宮寺財閥が嫌いな理由を教えてもらったけど、父さんがそんなことしてたなんてね…。
自分の父親でも許せそうにないよ。
でも、ずっと会いたかった亜実と会えて俺も音楽と向き合えそうだ。
「やっとハニーに会えたんだ。俺もそろそろ本気で頑張るよ。ハニーも一緒に頑張ろうね。」
俺がそう言うと亜実は嬉しそうに笑った。
俺にこんなに笑顔を向けてくれて嬉しいよ。
でも、次の瞬間
フラッ
「ッ亜実!!」
バタンッ。
亜実が倒れた。
「亜実!どうしたんだい!?亜実!!」
…よく見ると顔色が悪い。
俺がレディの変化に気付かないなんて…。
とりあえず保健室に連れていこう。
ハニーを横抱きにして保健室へ急ぐ。
ガラッ
保健室の扉をあけると中には誰も居なかった。
…そうだった。
ウチの学園はボスが医師免許を持っているから保健医はいないんだったな。
とりあえずベットに寝かせる。
するとどこからかボスが入ってきた。
さすがに大きな音はたてないか。
「ムムム…。これは寝不足と過労ですねー。3連徹なんてするからでーす!それじゃ倒れても当たり前なのよー。
ま、寝かしておいてpleaseね!」
と言ってどこからか帰って行った。
…寝不足と過労か。
亜実はここ3日間学園を休んでいたはず。
!、まさか3日間連徹をしたっていうのかい…!?
それは倒れてしまうよ、ハニー…。
俺は身を屈めて額にそっとキスを落とした。
「イッチーのためにそこまでするなんて、妬けてしまうね…。」
今度は俺のために曲を作って欲しい、なんてね。
「今はゆっくりおやすみ、my sweet honey.」
―――side レン end―――