【音楽は愛故に。】

□第1音
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「『薄紅色の可愛い君のね
  果てない夢がちゃんと
  終わりますように 君と好きな人が
  100年続きますように…。』」

      【ハナミズキ/一青窈】



1曲、弾き語りでしっかり歌い上げる。



最後の1音を奏で終わるとたくさんの拍手が私を包んでくれた。



ふぅ…。私は満足よ。神宮寺財閥は確かに嫌い。



でも、私がなにかできる訳じゃないもの。



その後、シャイニーと総帥が居るところへ行き、ピアノを弾かせて頂いたお礼とシャイニーに席を外すことを告げると中庭に出た。



…はぁ。



終わった…。



私は中庭のベンチに座ってボーッとしていた。



すると、



「隣、よいか?」



と声をかけられ顔を上げると青い髪の綺麗な顔立ちの男の人がいた。



「あ、どうぞ。」



「すまない。俺は聖川 真斗だ。
先程の演奏、素晴らしかった。」



「ありがとうございます。私は神谷 亜実です。」



私たちは自己紹介から始まると意気投合し、自分たちの事を時間を忘れて話した。




私が今日、この場所に居ることも…。



真斗は私の話を全て受け止めてくれた。



そして、真斗も話してくれた。



家のことも、音楽のことも。



「じゃあ、真斗も早乙女学園に?」



「あぁ。亜実はどちらのコースだ?」



「私はシャイニーに無理を言って両方のコースにしてもらったの。でも、試験の時は1コース分の時間で2コースの試験を受けなきゃいけないからちょっと大変。でも、必ず受かるわ。だから、次は学園で会いましょ?」



「もちろんだ。」



そう言って私たちは来年、学園で会う事を約束し、別れた。


  

 
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