【音楽は愛故に。】

□第1音
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1年後、私は中学を卒業したがシャイニーと話し合い、早乙女学園への入学を1年見送った。



1年間アグナパレスで大学までの知識と音楽の知識を全て叩き込まれた。



音楽の知識はアイドルのことから作曲家のことまで全て学んだ。



そして、私の両親を死に追いやった財閥…“神宮寺財閥”に一矢報いるため。



集めた情報によれば、神宮寺財閥の総帥は私の両親が死んだことを知っていて、私の現状は知らないようだ。



私の父親を嫌っていて、個意的にリストラしたことがわかった時は怒りが押さえられそうになかった。



―――――そして今日、私はシャイニーと一緒に神宮寺財閥の主催するパーティーに出席する。



そこで総帥の亡き妻、円城寺 蓮華さんの曲を弾き語りする。



復讐でもなんでもない。



ただ、総帥が嫌った神谷の娘が総帥の愛して止まず全て消させた音楽を奏でる…。



それだけでいい。



こんなにも財閥内の情報が手に入ったのは全てシャイニーのおかげ。



今日だってパーティーに相応しいドレスアップをしてくれた。



「youは本当に##NAME5##に似てマースネー!veryveryNiceヨー!」



「ふふっ。ありがとう、シャイニー。」



そしてパーティーではシャイニーと一緒に挨拶回りをして、遂に神宮寺財閥総帥に会った。



「これはこれは。シャイニング早乙女さん、久しぶりですな。」



「オーウ!Mr.神宮寺!久しぶりデースネー!後ろの二人はお子さんデースカ?」



「えぇ。長男の誠一郎と三男のレンてす。今、次男は海外に居てね。…そちらは?」



私のこと、よね?



「お初にお目にかかります、神宮寺様。神谷 亜実と申します。」



ふわりと笑みを浮かべて礼をする。



「神谷…?」



あ、気づいたかな?



「亜実はワタシの友人の子供デース!訳あってワタシが後見人となってマース。Mr.神宮寺?亜実のパフォーマンス、見てくれマースか?」



シャイニーがそう言うと私は近くのグランドピアノの前に座る。



そして、円城寺 蓮華さんのある曲を歌う。



彼女が子供たちに向けて歌ったであろう歌を。



私がピアノを弾き始めると周りが静かになる。



私は息を吸い込んだ。

   

  
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