【君想。】

□第4話
1ページ/1ページ





とりあえず、曲のイメージはまとまった。






「じゃ、次は1週間後だね。
それまでに1曲は歌詞入れまでしてくる。今日は解散でいいかな?」






「かまわん。」






「えぇ。」







「わかった。」







「Ok.」






そうしてそこで解散になる。





「アミ、このあと暇?お昼、まだでしょ?一緒に行こうよ。」





「うん!何にしよーかな。藍は何がいい?」






そして二人でパスタを食べた帰り。






「あれ…。あれって、嶺二さん…?」





寮の近くまで来たとき、嶺二さんを見つけた。




誰かと話てる…?






「もう一人は…七海春歌だね。」






藍が隣で呟く。





また二人でいるんだ…。






と思った次の瞬間、






「ッ!?」






「えっ…。っ見たらダメ!」





藍が咄嗟に私の腕を引き、自分の胸に私の頭を押し付けた。




けれど私は見てしまった。






「嶺二、さん…。なんで…?どう、して?」






嶺二さんが七海春歌ちゃんに、







キスをしていた。






じわりと目に涙が浮かぶ。






そしてこんなときでもメロディが浮かぶ自分の作曲家脳が疎ましく思った。






あぁ。皮肉にも彼氏の浮気現場を見て今度のユニットの曲が出来そうだ。







「…アミ?」






「藍ちゃん、帰ろう。」






「っ…でも!」








「いいよ。とりあえず、帰ろう。」





早く楽譜におこさなきゃ。






頭の中に出来た2曲は失恋バラード。







ねぇ、嶺二さん。




どうして、七海春歌ちゃんにキスしたの?




どうして、私の事を放っておくの?






嶺二さんは…私の事を好きですか?





こんな悲しい曲が、



今の私のラブソングだ。







     

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ