【音楽は愛故に。】
□第1音
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それは私が中学3年の少し暑くなってきた春の日。
「ただいまー。」
学校から帰ってきた私の目に映ったのはなんとも残酷な光景だった。
「お、お父さん…?お母さ、ん…?」
私の両親がリビングで血まみれになり
――――――――――死んでいた。
テーブルの上には書き置きがあった。
私のお父さんはある会社の社長だった。
その書き置きにはとある財閥に会社を乗っ取られ、社長であるお父さんだけがリストラされたこと、
私の将来のお金のためにお母さんと心中すること、
私の後見人はお母さんの知り合いのシャイニング早乙女という人だということ、
そして、中学を卒業したら、好きな音楽ができるようにシャイニング早乙女さんが学園長の早乙女学園に行きなさいということと
最後には私への謝罪が書いてあった。
「う、嘘…でしょ…?」
私は書き置きを読んだ後、暫く放心し、大声で泣き崩れた。
私の泣き声に気づいた近所の人が色々なことをしてくれて、私は警察の別室でシャイニング早乙女さんを待っていた。
ガチャ。
「…亜実、か?」
入ってきたのは何度か会ったことがある人で、この人がシャイニング早乙女さんだとわかった。
「あ…はい。これから…よろしくお願いします、シャイニング早乙女さん。」
私がそう言って頭を下げるとフッと笑って
「やはり、##NAME5##にそっくりだな。私のことはシャイニーでいい。」
シャイニーはそう言うと私の隣に座り言った。
「お前の父親の会社を乗っ取った財閥に…一矢報いてみるか…?」
それって…
意味を理解した私はすぐさま返事をした。
「はい…お願いします。」