アルスマグナの後輩になる話。

□みんなでつつく冬はおいしい?
2ページ/8ページ

どうやら、今回はアルスマグナのみの撮影のようで、私達、マグナメイトは撮影班らしい。


「悪い!雲!食堂から鍋借りてきて!あと、コンロも!」

「・・・いいですけど、なんで名前呼びなんですか?」

「えー?それがお前の名前だからー?」

「・・・いってきます。」


私は静かに部屋を出た。



食堂へいくまでの廊下。
そこでついに私は、足をとめた。


「名前よびキツいっ・・・」


しばらくサクでいたため本当の名前を呼んでもらったことがそうそう、なかった。

正直、ヤバい。

先生にサラッと名前で呼ばれたときは本当にヤバかった。
なにが、どう、やばいか説明できないが、ヤバかった。

「・・・っあー・・・」

きっと、顔が赤い。別に、好きな異性から言われた訳じゃないのに。

「だめだ。治せ私。」

部屋に戻るまでにこの照りを治さねば。あの人達には、何を言われるかわからない。
冬の凛とした空気が、今日はやけに嬉しかった。



「もってきましたー!」

「ありがとーここおいてー!」


どうにか顔の照りをおさえ、部屋に帰ってきた。コタツがあるため廊下より暖かい。
簡易キッチンでは、泉先輩ともっちーが凄い勢いで、しかも均等に。具材を切っていた。
先生はカメラの用意を丁寧に行っていた。

・・・そして残ったヤキモチ組は、三人なかよくコタツに入っていた。


「あったかーい・・・。もうここで暮らすー」

「それ、めっちゃ賛成。」

「僕もですー・・・」


・・・あぁあぁ、泉先輩、若干キれたよ。手つきがかわったよ。


「・・・お前ら、動けよ・・・。」

「だって、仕事ないんだもーん」

「・・・じゃあせめて、起きてろ。」


先生がガクッと頭をさげた。うん。私もそうなる。


「・・・そういえば、先生?鍋でやってみっか!って、なにするんですか?」

「んふふー。や・み・な・べ!」

「闇鍋?」

「そう。五人で好きな具材持ってきて、鍋入れて、暗闇のなか食べる!
・・・っていうのは危ないから、雲に取り分けてもらって食べる。具材全部当てられたら、勝ちー。勝者にはご褒美があります!」

「おぉっ!!まじかっ!!!」


コタツでうずくまった神生先輩が起きあがった。そういうことには、反応するのね。


「あるからなー。がんばれよー。」

「鍋通りまーす。」


どうやら調理し終わったようだ。泉先輩もさっきまではずしていた手袋を、もうつけていた。


「雲。これ、食べます?」

「え?なんで・・・イチゴ?」

「誰かが持ってきたようです。余ったんでどうぞ」

「わー!ありがとうございます!」


もぐもぐ・・・。わー、甘い!超おいしーい!!

でも、これを鍋に入れるの
かぁ・・・。恐いな。


「よーし!泉、席につけー。始めるぞ!」

「雲?カメラ使えるっけ?」

「ごめんなさい、分からないです」

「おっけー。じゃ、カメラ以外のこと手伝ってね。」

「了解です。」

「準備完了!もっちー、雲、頼んだぞ!」

「はーい。・・・じゃ、いきまーす。さん、にー、」


いち。どーぞ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ