アルスマグナの後輩になる話。

□君にしか。見せないよ。
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「おはよーございまぁーす・・・」


ひょんなことからクロノス学園ダンス部夏合宿のドッキリ仕掛け人となった私。

少しだけ楽しみにしていたが、今回はそうもいかない。


「よりによってなんで泉先輩・・・」


ターゲットは泉先輩。

鬼の修行奏こと。泉奏先輩だ。


「へたすると殺されるよね。」


事前の先生とのミーティングで聞かされた。



「いいか?泉はすごく寝起きが悪いから。
なんかあったらすぐ謝ってにげろ。」

「めっちゃ強敵じゃないですか。」

「うん。だからサクなの。」

「え?」

「一番泉が怒りを抑えそうだから。」

「えぇー。」

「メイトちゃんが泉の寝顔まってるからさ。がんばれ!」

「えええええええええ」




先生、私思ったよ。
そういうのって屁理屈というのでは?

私が見る方だったら、是非アキラ先輩にやってほしかったよ!!


そおっとマスターキーを差し込みドアをあける。


「さすが。」


先輩の部屋は荷物がちゃんとまとまりとてもきれい。

そして。


「・・・うっぉ・・・」


眠る姿もきれいだった。


「レアレア!!メイトさんみてますかー!」


絶対見れないであろう泉先輩の寝顔。画面の向こうのメイトさん達にたんと味わってほしい。



「・・・さて、始めます。」


先生から預かったメモを開く。

ステップ1、手をさぐれ!!!

手。ですか。
たしかにいつも手袋してますしね。

布団のなかにもぐっている右手を探した。


「わ。おっきぃ。」


寝ているときは手袋をとっていた。普段見れない手が隅々まで見れる。

そっと手のひらをくすぐった。


「んっ・・・」



・・・えろっ。さすがです、さすがエロメガネです!!
・・・動画見返されたら怒られるなこれ。

しばらくいじり倒していたが、これといった変化はない。


「正直これでムクッと起きてほしかったですよ。先輩っ。」


できるだけ減らしたかったんです。リスクを!!

ステップ2、脇腹をくすぐれ!

あ。ニコラジでありましたね。先輩。

あの、漏らした「ん」。
私も聞きましたよ先輩!!


「よし・・・」


そっと布団をはがし、お腹を出現させた。
お腹を触ると、


「かたい・・・」


腹筋がかたい。

泉先輩はしなやかな動きが特徴だと思うが、体は思ってるよりガタイがいい。
腕とか血管浮き出るときもあるし。


「そっと、そっと。
・・・せいっ!」


くすぐる・・・


「んっ・・・!やめっ・・・!」


エロいですよ!!先輩!!これ動画でうpできますか!?


「やめろぉっ!!」


「すいませんでしたぁっ!?」


泉先輩が鬼の形相で起きた。

カメラは・・・、向けたら石にされそうです。


「せっ、先輩?」


「・・・サクかぁ。」

「はっ、はいぃ。・・・って、おうわっ!!」


ぐっと引かれた手。私は反抗もできず、ベットにたおれた。


「・・・あの。ほんとすいません。ですからこの状況かえません?」


先輩とベットに挟まれた私。


「人の寝室漁ってそれいうかコノヤロウ。」

「すいませんでした。ほんとすいません。寝起き襲ってきて機嫌悪いのはわかりますが、一応カメラ向いてるんでキャラだけは守ってくださいいいいいいい!!」

「しらねーよ。ほんっとに、そんな服でこられたら。どんな男でも・・・襲うぞ。」

「襲うんだったら画面の向こうのメイトちゃんにお願いします!?」

問答無用。

とばかりに先輩は私に手をかけた。
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