アルスマグナの後輩になる話。

□なんとなく、分かってた。
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夜が明けてきた明朝4時。



「おはようございまーす」



カメラ片手にパク君の部屋までやって来た私。

急にドッキリ仕掛人をやることになった私。全然眠れないわ、ふわもこパジャマのままでいくわで全然乗り気じゃなかったが、実際、人にドッキリを仕掛けるなどそうそうなく。結構楽しみにしてたりする。



「あけまーす」



マスターキーで静かに扉をあける。



「・・・んふっ。」



「うわ。めっちゃ予想通り。」



布団がはげベッドの上で大の字になって寝るパク君。幸せそうだ。
おまけに寝言まで。狙ってるとしか思えない。



「よし。じゃあ早速・・・・」



さっき先生からもらったメモには、パク君を起こすための方法が書いてある。



「えーっと、」



ステップ1。頬をつつけ!!

わぉ、いきなりですね。

そおっとパク君のほおをつつく。



つんつん



「・・・・んふっ。やめろよ」



なにこれかわいい。
新手のおもちゃだな。



つんつん



「やめろって。サクー。」



「はっ・・・!?」



寝ているのに!?なんでわかんの!?
名前を呼ばれると一気に恥ずかしくなってきた。

やってること。付き合ってる人みたいじゃんよ!!

まぁ、彼はこれで起きなかったためステップ2へと移らねば。



ステップ2。囁け!!



ステップ2でいきなりラストスパートっぽいけどぉ!?

ささやくってなに!?それはこいつの彼女にやってもらおうよ!?


あ、彼女いないのかww。



朝の4時にこんなにテンションが高い高校生はいるだろうか。というか、それにカメラまで持ってる高校生とか私以外いない自信がある。



「なにささやこう・・・」



男の人に囁くなんて滅多にしない。
私の中には前例がないため、検討もつかない。



「とりま、名前?」



とりあえず、いつもは言わない名前を囁くことにした。



「ウィトくーん?うぃーとー?」



だめだ。全然起きない。
なんとなく、顔が緩んでる気もする。
もう少し近くでやってみよう。




パク君の細い黒髪が私の顔にあたる。少しくすぐったい。
ついでに、めっちゃいい香りがする。



(変態かよ・・・・)



ただの変態だよ!!



「うぃーとー!!うぃーとくーん!!」



「はっ・・・・!!」



おっ、起きた!!少し汗をかいて目をパチパチさせている。



「おはようございます。パク君。」



「・・・ん?あ、サクじゃん。今日もかわいい。」



「はっ?って、おいおいぃ!?」



カメラを持ってた反対の手を引かれ私はパク君を下敷きにベッドにたおれこんだ。



「うあっ!?パっ、パク君!?ごめんっ!?痛くない!?」



・・・返事がない。

そのかわりに、

んふっ。

といった寝言がかえってきた。



「はぁ。・・・・やりにげはズルいよ」



かっこいいことやって逃げるなんてズルいよ。



とても近くなった顔は、
まつ毛が長いわ。
肌はすべすべだわ。
彼の顔がととのった顔立ちだということを再認識した。

寝息が。かかる。




「・・・んぁ?」



顔が最高潮に赤くなった時。
パク君が目をあけた。



今、私はパク君の上に無造作にのっている。しかも、ふわもこパジャマで!!

じっとみて状況を確認しているパク君と目があった。



「・・・ぁ。お、おはよう。・・です。」



「!?!?!?」



パク君が今世紀最大に驚いた顔をした。
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