アルスマグナの後輩になる話。
□どうしてそうなった。
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今、クロノス学園ダンス部は合宿にきている。
先生が所有しているらしい、海の近くの大きなペンションで一泊二日。
時刻は21時を過ぎ、ミーティングも終わった。
先生は、
「22時に就寝!!」
と、いっていたが、力みなぎる僕らがそんなこと守るハズもなく。今は男子部屋にダンス部員全員が集まり、夜会が行われている。
「楽しいですね!!!僕、こういうのずーっと憧れてましたっ!!」
練習であんだけ踊ったのに、パク君は夕飯を食べただけで復活した。
「んねー!」
タツキ先輩はこういう類のお泊まりは初めてらしく。いつもなら寝ているであろう時間にもかかわらずパク君と二人ではしゃいでる。
「タツキ先輩の服かわいいっすねー。」
「でしょ?コンちゃんとお揃いー!」
タツキ先輩のパジャマは黄色のもこもこ。ウサミミがはえていてなんともかわいい。
「それに比べてお前はなぁ・・・」
「さらっと酷いですよ。神生先輩。」
「いや、サクだって女だろ?一応。」
「いや、一応ってなんですか。」
「いつもはしょうがないから男の格好だけどさ、今は女だろ?一応。」
「・・・まぁ、一応?」
お風呂上がりだったからいつもあげている髪は肩まで届いている。
「タツキっくのパジャマの方がかわいいよ。うん。明らかに。」
今のサクの格好は、学校の半ズボンにプリントTシャツ。
ふわふわのもこもこには縁も縁もない格好。
「いや、先輩?そんなの僕が一番にきずきましたよ?部屋入った瞬間おもいましたよ!?」
「お前さー、ふつーに可愛いんだから、もっと女子磨こうぜー。」
「かわっ・・・!?いいっ・・・っか?」
「うん、かわいい、かわい・・・ったい!?泉よ、サラッと腹をつまむなっ!?」
「なに部員のまえで色目使ってるんですか?あなただけ別の部屋にしますよ?」
「すいませんでした。まじ、すいませんでした。」
「わーwwアキラ先輩しかられてるーww」
「っるせー!パクぅッ!!」
「んー。でもたしかにサクはもっと可愛くても良いよね。」
「はっ?」
今までのクダリを聞いた上ではなったタツキ先輩の一言。
変な声でたじゃないですか。
「僕さ!これの色違い持ってきたからサク着てみなよ!!」
これ、といって差したのは今タツキ先輩がきている、例のふわもこパジャマ。
つか、先輩もってるんですね・・・・。
「あーっ!!それいいっすね!!よし!サク!着てきなよっ!」
「えっ?パク君っ?」
「いいな!よし!サク!いけっ先輩命令だっ!」
「神生先輩!?」
「さあっ!!レッツゴー!!」
「いやっ、ちょっ、タツキ先輩っ!?」
腕を引っ張るタツキ先輩の力は思ったより強く、簡単には離せなそう。
「あっ!!泉先輩ともっちーには聞いてないですよね!?絶対!僕が着ちゃいけないですって!!
・・・先輩っ!?泉先輩っ!?わらってないでっ!たすけて下さいよ!?」
「楽しみにしてます。」
「待ってるよー」
「もっ、もっちー!?くそぅっ!?はかったなっー!?」
「全員の許可取れたね!さあ、いくぞサク!!」
「うそでしょおっ!?」
僕の叫びは暗い夜空に吸い込まれた。