大空
□標的9
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「あつーい…」
奈々におつかいを頼まれ、買い物袋を片手に暑い道中を汗を流しながら帰宅するニナだったが、チリンチリンと後ろから自転車のベルの音がして避けて道を譲ろうと後ろを振り向いて目を見開いた。
「ママチャリで…ヘルメットにゴーグル??」
世の中には色んな人がいるのだと思うことで引きつった顔を戻し、帰宅を急ごうとしたが、その女性は私の真横で自転車をとめるとヘルメットをはずした。
(わっキレーな人)
艶のある長い髪を靡かせ美しく微笑む女性が現れた。
同性でも惚れ惚れするようなスタイル、美貌に見惚れてしまって彼女が「どうぞ」と缶ジュースを投げてきたのをうまく受け取れなかった。
(わー!炭酸だったらどーしよう
!!)
あわあわして缶ジュースを拾おうとしたその時だった。
缶ジュースから嫌な音が立ち、もくもくと異臭を放ちながら煙が出てきたのだ。
煙を吸ったカラスが電柱の上から落ちた
「リボーン!
今そこで綺麗な女の人にって…
いやぁぁああっなにソレーっ!!」
「オレの夏の子分たちだぞ
情報を収集してくれるんだ」
「虫の言葉が分かるってゆーの!?
どうでもいいけど余所でやって!!」
帰宅し、買い物袋を奈々に渡して先ほどの出来事を思い出しては身震いする身体を抑えてリボーンに説明しようと自室の扉を開けると、そこには大量のカブトムシを顔に貼り付けたリボーンがいた。
カブトムシをあんな間近でみたのは初めてだ。うぅ気持ち悪い…
「おかげで情報がつかめたぞ
ビアンキがこの町にきてる」
「ビアンキ?誰その人」
聞きなれない外国人の名前にニナは首を傾ける。
「ビアンキは昔の殺し屋仲間だ」
「はい!?」
ピンポーン
「イタリアンピザでーす」