大空

□標的8
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「試験は簡単だ」


とにかく攻撃を躱せ。
そう言うとリボーンは、ナイフを山本に投げ付けた。


「うおっ」


いきなり投げ放たれたナイフを武君が間一髪で避ける。


「やめてよ!武君大会とかあるのに怪我でもしたらどうするの!?」


たまらずニナは割って入るがそんなニナの行動を嘲笑うかのようにリボーンは言葉を続ける。


「ニナも見本見せてやれ」

「なんでそーなるの?!」

「お、ニナもやんのか?
 じゃあどっちが試験に受かるか競争な!」

「ちょっ…!」

「大丈夫だ、絶対守ってやっから」


山本のその言葉に赤面しかけたニナだが次の瞬間その顔は青ざめる。

視線の先に無情にもこちらに無数のナイフを投げつけるリボーンの姿を確認したからだ。
ヤツの目がいつもよりキラキラしているように見えるのは気のせいではないだろう。

山本に手を引かれて何とかその攻撃を躱すものの、あと一歩遅かったら絶対に直撃していた。

ニナはもう一度リボーンに抗議しようと口を開きかけたが攻撃が続き、まともに喋ることが出来ない。


「おっと、いい肩してらー」


(命がけの状況たのしんじゃってるよ!)


「さすが野球で鍛えてるだけあるな
 反射神経バツグンだ」

「そーすかねえ…」



「ニナ頭下げろ!」

「うわっ!」


私の頭上を数本のナイフが掠めたのが見えた。
急所狙うなんてどういう了見だ!
どうして武君はこうも落ち着いて避けていられるのだろう


「しかし最近のおもちゃってリアルなー
 本物のナイフにしか見えなかったぜ」

「おもちゃ!?」

「おもちゃっつっても当たると痛いかんなー」


余裕があるように思えたのはおもちゃだと勘違いしているからなのか、それとも武君のなせる技なのか。
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