坂田さん、おじゃまします。
□三日目
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「っ誰だてめぇ!」
べりっ!と効果音がつきそうなくらい勢いよく俺と銀時を剥がす土方。
今日、よく見ると銀時はワイシャツにスラックスというリーマン姿。
そう言えば今日から営業開始なんだっけ。
「落ち着け土方、コイツが引っ越して来た奴。銀時って言うんだとよ」
「申し遅れました〜坂田銀時です。えーと、多串さん?は晋助のお友だちなの?」
まあ、そんなトコだな。
子供が見たらそれこそ黙る様な形相で睨み付ける多ぐ…じゃない、土方。
コイツは日常的に白衣だが仕事中は笑顔しか向けないので異様だ。
名刺を引ったくる様に奪うと五秒ぐらい見て白衣のポケットに乱雑に入れた。不審者だとしか認識されていない。
仕方ないか、俺も最初は警察呼ぼうと思ったし。
「高杉に近寄るな。天パが移る」
「あ?人を病原菌みたいな言い方すんなV字ヤブ医者」
「前髪は関係ねーだろうが!」
「いや怒るとこそっちかよ」
息が合ってるのか合ってないんだか口論を続ける初対面とは思えないほどの仲の悪さ。
どうしよう、俺もう帰って寝たい…
「晋助ダメだよ、こんな性犯罪起こしそうな奴の部屋に行っちゃぁ。こーいうのが『やばいと思ったが性欲を抑えきれなかった』とか言うんだよ」
「ふざけんな!大体高杉はっ………あーもう!お前とは気が合いそうにねぇ」
「こっちから願い下げだっつーのバーカ」
全く、どうやったらこんな犬猿な仲になるんだ。本当に初対面か?
目の前で吠える二人を置いてとりあえず帰る事にした。
つーか銀時、仕事大丈夫なのかよ。
おしまい