坂田さん、おじゃまします。

□二日目
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「おじゃましまーす」

「ああ、上がれよ」


水色のパーカーに白黒ボーダーのシャツ。コイツいつかヘルプとして呼べるかな。
あ、でも天パで若干目が死んでるからあんまり女子受けしねーかも。

ティーストレーナーを持った所でお茶請けがなかったのを思い出す。
あークッキーとか何かあったっけ。

ポットの紅茶がミルクと混ざってこの瞬間が一番好きだ。
本場のイギリスではミルクを先に入れる方と後から入れる方で別れているらしいのだが俺は断然先に入れる方だな。少しだけ紅い色が真っ白の上に溶け混むのが何だか血を連想させるようでゾクゾクする。
本能だろうか?


「待たせたな」

「いえいえ、結構本格的にやるんですね。うちはティーバックで済ませちゃうんですよ」

「こういうの嫌いじゃねーからな」

坂田がお茶請けとしてジンジャークッキーを持ってきてくれていた。
生姜のクッキーなんてどんなゲテモノかと思ったが中々うまい。


こうして誰かとまったり飲むのも久々だったな…


「高杉さん紅茶よく飲まれるんですか?」

「ああ、いろんな茶葉とか試してみてなァ…」

「結構手慣れてるんですね。俺も紅茶の方が好きです。ケーキとかが相性いいんですよ」

「甘ったるいモンも重くねぇからな」

「苦手なんですか?」

「いンや……悪かねぇが機会がなくてな」


意外と甘党だと発覚した。
考えたら糖分も足りてねぇ。俺死ぬか。

今度美味しいケーキ持ってきますよなんて軽い会話に華を咲かせる時間。
久々にゆっくりと飲んだ紅茶はいつもよりもちょっとだけ甘い。
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