小説っぽいの2
□泣いた鬼
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「……あっつ……」
体が溶かされそうな真夏日。
何でくそ暑い日に俺は血まみれになっているんだろうか。
戦争に夏休みはなかった。
ごろりと動く度に転がる首。
そいつは昨日まで息をしていた奴。
敵だけじゃない。
というか味方の方が多いんじゃないかという死体の数。
下ばっかり見つめてると、
柄になく涙が落ちそうで
上を向いたら
赤い空が広がっていて、
今この瞬間にこの中で
死んでみたいと思った。
……世界の何処かへ
ただいま俺はまたもしぶとく生きています。