日常

□転校
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5月1日―

朝独特の静寂さが廊下を包み込んでいる。

春休み後、つまり中間テスト前の忙しい時期である。


―そんな季節に、まだ新しい制服を身につけて、緊張しながら立ち続けるのも辛いものだ。

今日何回目かわからない深いため息をする。


「八坂さん、どうぞ。」


担任に手招きされる。

…残念ながら、私には死神が手招きしている様にしか見えない。


私は渋々教室に足を踏み入れた。
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