ビストーマ魔術
□六章
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お互い沈黙しているとニックが
『今日はあれだけの魔力を使ったんじゃ。少し休め。じゃないと明日に支障出るぞ』
「…そうだね。そうするよ。お休みニック…」
『あぁ、良い夢を…』
暫くしてニックは陽が深い眠りについたのを確認すれば窓際まで行き暗い夜空を眺め
『我らとの出会い…か…。陽は我らと出会って後悔してないんだろうかのぉ…残酷な人生を辿るというのに…恨まず我らを受け入れ愛してくれる陽を少しでも幸せになって欲しいと願うのは我の我儘だろうか…』
小さく息を吐き愛しそうに陽の寝顔を眺め続けるニックであった。
その頃学園では泣崩れてる華をどうするべきなのか戸惑っている翔であったが、数分すればまた扉がノックされる音が聞こえ、それに応えるように翔は返事をして扉を見やり
「体調はどうだ?2人とも〜……って、え?理事長どうしたんですか?!」
入ってきたのは陽の担任、安倍であり、事情を聞かされていた為見舞いにと思い来てみれば泣崩れてる華と側で戸惑っている翔を見て疑問に思い、辺りを見回してみるが陽の姿が見つからず眉を寄せながらも華の側に近寄り
「理事長、何があったんですか?」
声をかけられた華は顔を上げ安倍を見て
「……安倍先生…ッ…何でも、ないわ。翔君が目を覚ましてくれて嬉しかっただけよ…。ごめんなさいね、翔くん。気分はどう?」
「あの…何で俺の名前を…それに俺死んだはずじゃ……それにさっき陽って…弟は無事だったんですか?今何処に?!」
困惑気味に話せば華と安倍は苦笑し
「その事については長くなるけどきちんと全部お話するわ。陽くんの事も」