ビストーマ魔術
□六章
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翔は体調の事もあり、ベッドで安静にしながら聞きなさいと華が言えばそれに従い、翔はベッドで横になり
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私はこの学園の理事長兼10神官のひとりよ。そして、この男性は陽くんのクラスの担任の安倍先生よ」
宜しくと安倍が言えば翔も小さく頭を下げ
「じゃぁ陽は無事でここで幸せにくらしてるんですね…良かった…」
「そうね…陽くんの事詳しく教えてあげるわ」
華が言えば翔はお願いしますと応え、華が陽から聞いてる話と出会ってからの陽の成長を思い出しながら楽しそうに話た。
話が終わると
「そうですか…陽は逞しくなったんですね。それで陽は今どこに…?」
翔の言葉を聞けば華は辛そうな表情になり
「…今は何処にいるかわからないの…それに翔くんの腕の包帯…多分だけど封印されてるわ。…陽くんの精霊獣が暴走しないように…」
「そん…な…!!それだと陽が危険じゃないですか!!…ニック…ニックも俺の所に?」
「それはわからないわ…陽君は強いから大丈夫だと思いたいけど、今回ばかりは場所もわからないし…でも何故ニック?」
翔は唇を噛み締めながら言うべきかどうか悩み
「俺たちが住んでいた街での言い伝えなんですか……不死鳥と契約した者は神と讃えられます。不死鳥なんて実際に存在するかもわからない…だから不死鳥と契約した者は幸せをもたらすと……でもそれには続きがあります。ごく一部の者しか知られない裏の歴史……不死鳥との契約、それはある人にとっては喜びに、ある人によっては絶望…不死の肉体を持つとの事です。そして完全に不死鳥を受け入れてしまえばその人間が次の不死鳥になるのです。人間ではなく精霊獣として…いや、創世者として…ですね。だから俺は何があっても陽をそうしたくない。ニックにも陽がそうなるのをあまり受け入れてないから、完全に受け入れないように陽にだけは裏歴史を知られないようにかくしていたんです。俺が知る限りでは…」
翔の話を聞き知られていない歴史を知り2人は呆然となった…