ビストーマ魔術

□四章
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二人のやりとりを見ていた夫婦は二人に近寄り

「どういう状況になってるか見てみないと警備隊にも報告出来ないからの。精霊獣さんよ、悪いが街には行かせてもらうぞ?だからその子を守ってやってくれ…」

「しかし……わかりました」

男性の言葉を聞いて止めようとするが報告と聞き了承を得て、陽を抱き締め馬車に戻ったら行く

それから数時間馬車を走らせているとサウンド街に着き色々な場所を見て、陽の家も見れば、夫婦も陽も予想以上の惨劇を目の当たりにしてしまった

「パパ…ママ…」

「…坊主……もう此処では暮らせない。わしらの家族にならないか…?」

「…………」

陽は首を振り拒否するも女性が後ろから陽を抱き締め

「貴方一人じゃ生きるのも大変よ。…私達と家族になって強くなりなさい…強くなっていつかビストーマ特殊警察に入って皆を守れる力をつけなさい…」


それから陽は老人夫婦の家族になり、生きる為の生活、勉強を教わりながら暮らし陽も契約している精霊獣や精霊を老人夫婦に紹介したりして少しずつ元気になっていったが、家族になって四年と半年、陽が10歳になる少し前に老人夫婦は年齢もあり亡くなった。
しかし二人の死は両親達とは違い苦しそうな表情ではなく、微笑んでいた。

それから陽は10歳になり老人夫婦の言われた通り試験を受けて10歳の若さで10神官の仲間入りをしたのであった。
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