ビストーマ魔術

□二章
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一足先に寮の部屋に戻ってきた陽はリビングにいるも2つの扉を見てどちらが自分の部屋か分からず、まぁいいかと思いフェルとミーアに食事を作ってもらい、モグモグと食べていると柊が帰ってきて

「あ、おかえりなさい」

「あぁ…それよりその精霊達は?」

二人の精霊を見て中学ではまだ召喚術は習ってない筈だと疑問に思い

「二人は昔から俺の家族にご飯作ってくれてる友達ですよ。でも俺が中学から寮に入って家事とか出来ないのが心配で付いてきてくれたんです」

「そうなのか。でも学園には食堂があるよな?」

「あぁ…一度行きましたけど0クラスの人間が居たら空気が悪いと言われて、俺も人が多い場所は苦手なんで…それ以来食事は二人に頼んでるんです」

「そうだったのか…」

「それより先輩、俺の部屋ってどっちですか?勝手に開けるのも悪いと思ってリビングでゴロゴロしてたんですけど流石にベッドで寝たいですから…」

「部屋は右だ。荷物も届いてるだろう」

「ありがとうございます。先輩はもうご飯食べたんですか?」

「いや、着替えてから食堂に行く」

「そうですか。なら俺は眠いので部屋に戻りますね」

「あぁ、ゆっくり休んで明日からは遅刻するなよ」

「はーい」

柊が一度自室に入り着替えてから部屋を出ていくのを確認すれば二人を呼び

「あの人は今日から同室になる人だからくれぐれも俺の話はしないでね?」

「わかってるわ。あの方あそこにいるんでしょ?向こうでは見つからないようにするし、名前も人前では呼ばないようにするわ」

「ありがとう、君達の理解が早くて助かるよ。本当俺の仲間は優秀だね」

「ありがとう、陽サマに褒められると私達は嬉しいもの!」

「でも気を付けてね?魔獣が出た街は学園から近いから」

「もしもの時はみんなの元にすぐ戻るわ」

「なら、片付けて部屋に戻ろっか」

「はーい!」

食べた食器を片付け自室に入れば自分好みの部屋であり、片付け等もされていて多分黒じー辺りがしてくれたんだろうと思い今度会った時はお礼を言おうと考えながら眠りにつく

翌朝フェルとミーアに起こされ欠伸をしながらリビングに行き椅子に座っていると朝食を目の前に置かれれば別の部屋から柊が制服を着て出てき、タイミングよく部屋のチャイムが鳴り

「先輩の友達じゃないですか?」

「多分そうかもしれないが、何故白夜の友達じゃないと言いきれる?」

「俺の友達は朝から迎えにきませんよ。朝は一人で朝食食べるって知ってますから。それよりうるさいので早く出てあげては?」

「あぁ、悪いな」

そう言いながら玄関に向かう柊だが、実際陽が言った事は少し違い、確かに一人で食事をするのを知ってるが、陽が寝不足の時に起こしに来た友達数人にブチギレてそれが怖かったのか暗黙の了解で朝は起こしに行かない決まりになった

柊が扉を開ければ

「じーんっ!ハロー!朝食食べに行こうぜ?」

「お前な…何度もチャイムを鳴らすな。後輩もいるんだから静かにしろ」

「あら。なら後輩ちゃんも一緒に行くの?俺の所は行かないって言ってたけど」

「いや、あいつは自炊らしいし食堂には行かないから俺達だけでいくぞ」

「自炊?!」

「二人して何騒いでるんですか。迷惑ですよ」

また一人現れた人物が二人に言い

「あ、副部長だ!ハロー!それがさ、迅の同室者自炊なんだって!どんなご飯か見に行こうぜ?」

「また迷惑な事を考えてたんですか…」

「いいからいいから!」

「おい!おまえら!…ってもう中に入ってるし…」

聞こえてた陽達はミーア達を自室で隠れるよう伝え自室に消えたと同時に入ってきた3人を見るが無視して食事していればチャラそうな人物が陽の前に座り陽の顔を見て

「へ〜、自炊って本当だったんだ?俺は工藤。自炊してるなら俺達のも作ってよ、平凡君?」

「嫌です。早く行かないと食堂混むんじゃないですか?」

「だから平凡君に頼んでるわけ。わかる?」

「俺は一人で食事したいので」

「へ〜、俺達が執行部だって知っててそんなこと言うんだ?」

「脅しですか?」

「やめなさい。後輩を脅してどうするんですか。脅しと判断されたら処罰されるのは貴方ですよ。」

真面目そうな人が言えばチャラそうな奴が睨み付け

「0クラスだから脅しじゃなくて指導してやってんだよ。それに俺達はビストーマの第二部隊の訓練生に入れたんだぜ?頷かなきゃ強制的に言うこときかせるのも可能だしなぁ。落ちこぼれの平凡くん?」

それを聞いた柊と真面目そうな人物は溜め息を吐き

「お前はいい加減にしろ。後輩をそんなことして虐めるな。仮にも執行部だろ」

「へ〜……執行部で第二部隊に入られた方がこんな方ばかりならビストーマも最低な集団の集まりなんですね。失望しました」

「平凡くん、バカにするのも今のうちだよ?」

「バカにはしてませんよ。ただ噂と違い最低な人なんだなってわかっただけです。なので今後一切俺に関わらないでください。俺はもう行きますので失礼します」

寮から出ていき教室に向かば自分の席に着きイライラを押さえるために机に伏せ時間が過ぎるのを待った。

一方部屋に残された3人は

「お前は本当いいかげんにしろ」

「何言ってるの?俺達やビストーマをバカにしたあの平凡が悪いんだろ?!」

「だからってそれを盾にして脅す貴方が悪いです。あの生徒にビストーマの印象が悪くなったってわかってるんですか?ただでさえあの隊長に最悪な事を言って訓練生全員辞めさせられそうになったんですから、俺達が威張るのは間違ってます」

「わかってるよ。でも第二部隊をバカにしたのが許せなかったんだよ。…隊長は強くてワガママだけど優しいって知ってるから…」

「なら、あの生徒に謝れますね?」

「それは嫌だ!何があってもあいつは許さないし!」

「勝手にしろ。それなら今後白夜に近寄るな。あいつも言ってただろ」

「それはどうかな?来月の全学年トーナメント試合でボコボコにしてやる」

「お前な…」

そういいながら3人は食堂に向かい朝食を食べてから教室に向かった
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