ビストーマ魔術

□一章
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陽も沈み、人が寝静まってる時間帯にも関わらず少年は、薄暗い中、足首まである黒いマントを着て、付いてるフードも被り、怪しい森の中を呑気に歩いていると急に殺気を感じとり、辺りを注意深く見渡してると一点に何かがいる事を気付き素早く一体の魔物に向けて

「炎遣-エンケン-」

魔物の足元に急に現れた魔方陣から巨大な炎が現れ魔物を包み込み消滅させる。

炎が消えて焼け焦げた魔物が姿を現せれば、少年は側に近寄りしゃがみこみ

「辛かったね…ゆっくりオヤスミ……浄眠-ジョウミン-」

浄化作用と安らかに眠れる複合魔法で魔物を見届ければまた立ち上がるも来た道を戻って行く。

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森から離れた小さな小屋に着けばそのまま中に入り着ていたマントを椅子にかけ、服を着替えればそのままベッドに寝転ぶ。

「明日からか…上手くやっていけるのかな?」

一人で住んでる為に返事を返してくれる者はいず、ベッドサイドに置いていた先日渡された手紙を手に取りぼーっと眺め

「あの人達は何を考えてるのやら…。会議にも慣れるまでは来なくて良いとか…ま、考えても無駄か。明日に備えて寝よう」

そのまま瞼を閉じれば深い眠りにつく少年。

一方その頃

「なぁなぁ、明日来る隊長になる人ってどんな奴だと思う?やっぱり副隊長よりかは強いんだよな?」

「さぁな。俺の中では副隊長より強い奴なんてみたことねぇからわかんねぇよ?ただのコネで実は弱かったりしてな」

「じゃぁもし弱かったりしたら俺達が此処から追い出してやろうぜ?そんな奴の下になんか就きたくないし、副隊長に隊長になって貰えばいいじゃん」

集まっていた数十人の全員が賛成だと言うようにケタケタ笑いながら明日をどうするか楽しみで朝方近くまで話していたとか。

もう一方では

コンコンと軽くノックし中から入りなさいと声が聞こえ

「失礼します。第二部隊副隊長、柊楓(ひいらぎかえで)です。総司令官お呼びでしょうか?」

楓という男が中に入れば目の前にあるソファーに腰をかけている男に声をかけ

「わざわざすまないな。まぁ、立ち話も何だからこちらに座りなさい」

己が座っている目の前のソファに視線をやれば軽く微笑み、それをみた楓は一言失礼しますと言って腰をかける

「で、お話とは?」

明日来ると言われた隊長になる人の事なんだろうなと思いながら総司令官を見やり

「まぁ俺が言いたいことは解ってると思うが、明日くる隊長なんだが…最近どの国も魔獣で手に終えないと10神官に伝わり、俺達がどれだけ頑張っても魔獣は増えるし、怪我した隊員達も多いだろ?」

総司令官の言葉を聞いて確かにと思いながら小さく頷き

「それで10神官の方達が力を貸して下さると言って、明日来られる方がその内の御一人なんだよ。あの中でも一番強いと言われているんだが、詳しくは教えて貰えなかったから、明日、全員に紹介する前に俺と君で顔合わせついでに紹介してどういった方か知ろうと思ってな。良いだろうか?」

「…承知致しました。」

「なら、明日の8時頃にはまた此方に来てくれ」

「はい」

もう話は終わりだと言われ、楓は席を立ち軽く御辞儀すればその部屋から退出する。

先程話した二人は互いに怖くて傲慢な人間じゃないことを祈るも10神官の中で一番最強と言われれば、全国で一番魔力が最強と知り少し今後は無事でいれるんじゃないかと思う反面、他の隊員にはどう説明するか悩んでいた。
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