オリジナル小説集

□学校革命〜打ち砕け校長の野望〜
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第一話 「『出題者の意図を読み取りなさい』ってやつ、超能力者以外にできる奴いるの?」


帰宅部…帰宅部(きたくぶとは、小学校・中学校・高等学校などクラブ活動が存在する学校で、放課後の部活動をせずに帰宅することおよび、どの部活動にも所属していない生徒を意味する俗語である。(Wikipedia参照)

否!
帰宅部は部活に入っていない者を現すのではない。公に認められてないだけで、立派な部活なのだ!

終業のチャイムと同時に教室を飛び出し、廊下で友達とダベったりせず、誰よりも早く学校外へ出る。
それが帰宅部だ。

ただ家へ帰る。そのためだけに全力を尽くす。これは運動部並みにハードだろう。

そして家へ帰ると、己の運命さだめに従い、スキルを極めんと日々猛進するのだ。ときには寝る間も惜しんで活動をする彼らは、文化部を超えるだろう。

運動部より激しい戦いを繰り広げ、文化部より活動をする。帰宅部はすべての部活動を超越した部活なのだ!!!

すべての部活動の頂点であ



仲川(なかがわ


国語の授業中俺が素晴らしい作文を書いている時、突然向井(むかい先生に呼ばれた。折角筆が乗ってきたというのに一体なんなんだろう?


「なんですか先生?」

「なんですか?じゃないだろう…。仲川(なかがわ 、君はちゃんと話聞いてたのか?これ、『一年間をを振り返って』っていう題で書く作文なんだが?」

「もちろん聞いてましたとも。俺は学年一位の成績を誇る優等生ですから」

「成績だけな。成績を除いたらお前は学年一位の問題児だよ……」


はぁ。と、ため息をつきながら言う先生。おかしい。俺は特に校則違反はしていないと思うのだが…?


「俺は校則に違反するようなことはしてないと思うのですが…なぜ問題児?」

「校則に違反したもののことを問題児というのではない。問題を起こす児童を問題児というのだ」

「なるほど!」


確かにその通りだ。さすが国語の先生だな。後で友達にも教えてやろう。

アレでも待てよ?俺が学年一位の問題児だということは、学年で一番問題を起こしているということに…


「それより仲川(なかがわ 、なぜ君は『一年間を振り返って』という題で書く作文なのに帰宅部がどうのこうのという話を書いているんだ?」

「一年間を振り返ってみて、『やっぱり帰宅部最高だな』と思ったので」

「…そうか、私の説明が足りなかったようだな。『一年間高校に通ってみて、成長したことや失敗したこと、来年はどうしたいか?』という題で書き直してくれ」

「なぜですか?」

「『一年間を振り返って』にはこういう意味が含まれているからだ」

「えぇ!?そうだったんですか…」


現代文でよくある『本文中には出題者の意図が隠されてる』っていうのと同じ感じだろうか?

『作文のタイトルには出題者の意図が隠されてる』…一気に難易度が上がったな。


キーンコーンカーンコーン


「もう終わりの時間か…仕方ない、放課後までに書き直して提出してくれ」

「放課後までに!?今四時間目なんですけど⁉」

「だって明日は終業式だろう?」


終業式…ということは明後日から春休み!?おぉ…もうそんな時期か。学校に行かなくていいっていうのはいいな!帰宅部なら休日は活動はないし。


「じゃあきちんと書いてこいよ。まぁお前ならできるだろう?」

「はい、学年一位ですからね!!」

「自分で言うな」


さて、さっさと書き上げるか。


この時、俺はまだ知らなかった。日常というものは簡単に終わりを迎えてしまうということを……。
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