−White Campus−
□わがままな女の子
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「いやぁ、緊張するねぇ」
全くそれを感じさせない口調で赤木は言った。
「ね、礼二くん」
白衣に着替えている船井は鋭い目つきで赤木を睨んだ。
「俺はお前らみたいな奴らと馴れ合うつもりはない」
船井は家族全員が医者のようで、そのプライドも高いなんてものではなかった。
早々と船井は部屋を出ていく。
「あらら…まあ、いいや。拓くんよろしくね?」
越後はにこにこしたまま頷く。
連田は『近寄るな』と言わんばかりの冷たい殺気を放っていた。
「理人くん、よろしく!」
赤木はどっからどう見ても中学の時につるんでいた奴らと同じ、馬鹿にしか思えなかった。
(よし…)
部屋を出て診察室に向かおうとしたとき、携帯のバイブが鳴った。
坪内文架からのメールだった。
『お昼会いたい!』
理人は昼休みの時間を打ち込み、再びポケットに戻した。