−White Campus−
□プロローグ
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「雨月、早く!」
「ちょ…まって…」
最初の出会いから数年がたち、理人と雨月はとても親しくなった。
「着いたぞ!」
島の一番高い場所、山。
「ここで見る花火、すげぇ綺麗なんだよ」
雨月は下を見下ろす。
「だから来年こそ一緒に見ような!」
「うんっ!」
二人は小指を結ぶ。
「私ね、時間がたつといろんなこと忘れちゃうの。だから、全部覚えててね?」
「当たり前じゃん!」
そして彼女は帰って行き、秋が来て、冬、春が来て、夏が来た。
だけど、あれ以来彼女が島に来ることはなかった。