−White Campus−
□プロローグ
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島の夏は熱かった。
毎日、暑い中準備をする。
唯一と言っていい、この島の大イベント。
あの子は必ずイベントの翌日やってくる。
「ねぇ、なにしてるの?」
海で釣りをしているところに彼女が現れた。
それが彼女との初めての出会い。
「あんた誰?」
都会っぽい服を着ている。
それに、見たことがない。
この子はよそ者だ。
「私は雨月(うづき)、大葉雨月だよ。おばあちゃんがこの島に住んでるの。」
「へぇ」
「あなたは?」
かわいらしい笑顔で聞いてくる。
「…北谷理人」
「よろしくねっ、理人!」
来年もそのまた来年も彼女は夏だけ島に来た。