暗闇の先へ
□04.
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「…ねえ、シンジさん」
「…あぁ?」
「W好きWって言ってください」
「……は?」
「だって私、シンジさんにW好きWってまだちゃんと言ってもらってないですもん」
赤くなっていた顔が更に赤くなる。
しばしの沈黙のあと、ニット帽を目深にかぶった荒垣は小さく愛を囁く。
「……お前が、好きだよ」
「……」
「……」
「なんか言えよ…」
「Wお前Wじゃないです」
「…っ!?」
「……」
「……」
「……一回しか言わねぇぞ」
観念したのか、荒垣は真琴を引き寄せると耳元でそっと囁く。
「…真琴、好きだ」
すぐに体は離され、すごい早さで荒垣は真田たちに合流してしまう。
「…シンジさん、私もシンジさんのこと大好きです」
伝えそびれた言葉を小さく口にしながら、みんなの元にかけていく。
ーー君の未来が素敵なものであることを、僕はいつでも願っているよ…