暗闇の先へ
□04.
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こうしてみんなで未来を話せることができて、荒垣先輩の傍にいることができて、私はとても幸せだ。
「荒垣先輩、お花見する時は飛びっきり美味しいの期待してますね!」
「…はぁ?
ったく……こんな時でも飯のことかよ…」
「だって、先輩が作ってくれるの美味しいんですもん」
諦めたように荒垣は溜息を一つ吐くと、真琴の頭をくしゃりと撫でる。
それから恥ずかしそうに顔を赤らめて、ぶっきらぼうに言う。
「……シンジでいい」
下の名前で呼ぶことを許してくれたことに嬉しさが込み上げてくるが、やはり恥ずかしがる荒垣がどうしようもなく愛おしくて、ついからかいたくなってしまう。
「…シンジさん、照れてるんですか?」
「……!?
そ…っそんなワケねぇだろ……、アホが」
そう言う荒垣は、耳まで真っ赤だ。