暗闇の先へ
□01.
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「それじゃあ…」
頭の中で彼をイメージする。
WポンッWという軽快な効果音とともに目の前に現れたのは、かつて私の部屋で会っていた幼い彼の姿。
「ふぁ…ファルロスくん!?
あの…えっと……なんて言うか…」
綾時の姿を、思い浮かべたはずだったのにな。
「問題ないよ。
それにね、この姿でいた期間の方が長いから、落ち着くんだ」
「…そっか。ありがとうね」
「……ここは?」
彼にそう尋ねてみたけれど、私はその答えを知っている気がして、思わず唾を呑む。
「ここはどこの世界にも属さない、狭間の世界だよ。君は今、世界の狭間に宙ぶらりんってワケさ」