暗闇の先へ

□04.
1ページ/3ページ

***

それから2人とも問題なく、無事退院することが出来た。

ファルロスが言っていたように、美鶴と荒垣が使っていた薬の効果も消えていた。
医者は首を傾げていたが、今はもういないファルロスこと綾時に、感謝しなくては。
ファルロスが元凶だとしても、彼が2人を助けてくれたことに変わりはないのだから。


数週間後

あの時出来なかった卒業式を、もう一度みんなでやり直す。
今度は誰一人欠けることなく、最後まで。

「桜…散っちゃいましたね」

ゆかりが蒼くなってしまった桜の木を見上げながら、少し寂しそうに言う。

「また、来年見にくればいい」

俺たちには未来がある、と真田が明るく答えた。

「そうですよね。
僕、みなさんとまた桜が見たいです」

「そうだな。
私も、みなと満開の桜を見るのが今から楽しみだ」

「…私も…みなさんと桜見たいです」

「イイっすね〜!
みんなでわいわいしてぇなぁー!」

「Wお花見Wというものですね。
私もとても楽しみです」


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ