暗闇の先へ
□03.
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2010/04/30 AM 9:00
その日も病院内は慌ただしかった。
何せ、昨日から意識不明の重体だった患者が2人とも目を覚ましたのだから。
ーー白い天井……
…生き延びたのか……俺は…
「…シンジ!」
「……ア、キ?」
ようやく目が慣れてきて、みなの存在に気付く。
天田もいる。
『…乾を…頼みます』
俺は、背負い続けなければならない。
自分の犯した罪と、託された思い。
これから精密検査だ、と医者が病室を出て行ったのと入れ違いに、看護師が駆け込んで来た。
「結城さんが……!」