暗闇の先へ
□01.
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2010/04/??
ーーここはどこだろう…?
何もない、真っ白な空間。
あたりには霧が立ち込めていて、先を見通すことはできない。
「……。
ここにいてもしかたないか…」
そう言葉を吐きだして、何もない空間に一歩踏み出す。
どのくらい歩いただろう?
開けた場所に出た。
相変わらず濃い霧が立ち込めているけれど、そこがW開けた場所Wだと気付いたのは、風が吹いていたからだ。
「やあ。またあったね」
どこからか聞きなれた、彼の声。
「…りょ…っ綾時くん!?」
「…ふふ、君でもそんな驚き方をするんだね」
『失礼だよ』なんて言いながら、更に言葉を重ねる。
「だって…君は…」
「ここは君の夢の中だ。
君の夢の中なら、僕が存在していても何もおかしくはないでしょう?」
ーーそうか…これは夢……