暗闇の先へ

□01.
1ページ/5ページ

2010/04/??


ーーここはどこだろう…?
何もない、真っ白な空間。
あたりには霧が立ち込めていて、先を見通すことはできない。

「……。
ここにいてもしかたないか…」

そう言葉を吐きだして、何もない空間に一歩踏み出す。
どのくらい歩いただろう?

開けた場所に出た。
相変わらず濃い霧が立ち込めているけれど、そこがW開けた場所Wだと気付いたのは、風が吹いていたからだ。

「やあ。またあったね」

どこからか聞きなれた、彼の声。

「…りょ…っ綾時くん!?」

「…ふふ、君でもそんな驚き方をするんだね」

『失礼だよ』なんて言いながら、更に言葉を重ねる。

「だって…君は…」

「ここは君の夢の中だ。
君の夢の中なら、僕が存在していても何もおかしくはないでしょう?」

ーーそうか…これは夢……


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ