SS_対少年メモリー

□第二話
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~少年part~

薄く目を開ける。すると、淡い光が次々と差し込んできた。
隣を見ると、カルロは既に起きており荷物の整理をしていた。
「おはよう…ございます…。」
僕が声をかけると、「ああ、起きたのか」とこちらを振り向く。
そのまま数秒間こちらを見つめていたので首を傾けた。
「お前、睫毛まで白くて、目は赤いんだな…」
「はぁ…すみません。」
僕は謝ると、カルロは「違う違う!」と訂正を入れ、
「とても綺麗だと思ったんだ」
と言った。
「僕が?綺麗?カルロさんの方が綺麗で美しくて…僕なんてただの出来損ないです。」
カルロを直視しているのが恥ずかしくなり、目を横に逸らす。
すると、カルロは僕のほっぺたをむぎゅりと触ると強引にカルロの方へと変えた。
「何言ってるんだ。その髪だって綺麗にすればきっとふわふわの髪の毛になる。せっかく長いんだから後で良いものをあげるよ。」
カルロはにこりと笑った。
「ええと……、僕にですか?そんな、結構です。」
僕は戸惑い、カルロの提案を断ってしまった。
カルロは眉を寄せると
「せっかく僕が買うんだ、絶対つけて。」
と言った。
「は、はあ…」
僕がYESともNOともつかない返事をとると、カルロは僕の顔を離し、また微笑んだ。
「じゃあ、もうじきここから出て街を歩く。準備しといてね」
「は、はい!」
僕はバッグに手を掛けると、そのまま肩に掛けた。
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