SHINee
□Hello
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side J
その雪の日、俺は彼女に振られた。
理由は大学が離れるから というものだったが、他に男ができたことは知っていた。心が離れてしまったことは分かっていたから引き止めはしなかった。 結構長く付き合っていたから、そりゃもちろん いろいろ思うこともあったけど… なんやかんや思い出しながらしばらく時計塔の前に立っていた。
こんなに寒くなるとは思わず、手袋をして来なかった。
「バカな俺」
冷え切った手に息を吹きかけながら、ゆっくり歩いて家へ戻った。
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4月 いよいよ俺の大学生活スタート!ちょっと失恋引きずってるけど…。まぁ 新しい出会いがあると信じて頑張ろう!大学生活Enjoyしよう!
…と思っていたが早速壁にぶつかった。集合場所が分からない。この大学広すぎだろ!迷路かよ!
とりあえず近くにいた人に声をかける。
「すみません」
「?!」
その人は驚いた様子で、俺をじっと見つめていた。
「あの~~…?」
「へ?あ、うん ど、どうしたの?」
「えーっと、俺1年なんですけど、講堂の場所が分からなくて…」
「あ、講堂ならそっちだよ、分かりづらいよね 僕も迷ったことあるよ」
「ありがとうございます 全く、迷路みたいな学校ですね。」
「はは、確かに迷路だね~」
「あ、じゃあ 俺 行きますね、ありがとうございました」
「うん、もう迷子にならないようにね」
「はい、頑張ります ㅎㅎ」
優しい人で良かった~と安心している暇もなく、時計を見ると集合時間が迫っていた。
「やべっ!」
ダッシュで講堂へ向かった。