企画展示室

□お題募集企画
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ちょっとむしゃくしゃしただけなんだ。
ただそれだけだったっていうのに、世界なんて無常だよなぁ。
誰だよ、世の中みな平等とかいったヤツ。出てこいよ。


「俺、死ぬのかな」



やだな。


こんな下んない理由でさ、死ぬなんてさ。
やじゃん。ならせめてさ、世界に仕返しくらいしたくね?したいよな?
しようぜ?な?



【なんて素敵な世界掌握】





「まてやごらぁあああああああ!」



「待てって言われて待つ馬鹿は、いねーんだよ!」

馬鹿猿めっ!



吐き捨てながら飛び逃げる。
俺は今日もHLの中で世界崩壊と隣り合わせの遊びをしている。
いっつも追ってくるのは、世界の均衡を保つためにがんばってるって言う正義のミカタ、秘密結社ライブラ。
別にきらいじゃねーよ?そういうの。俺だってそういうヒーローにはあこがれるし?
けどなぁ、現在の俺からすりゃ、遊び相手以外の何者でもないんだよなぁ。


「っのやろぉおお! ふっざけんなよ!」



悪態が遠のいていくのが分かる。よし、スピードは俺の勝ちだな。
ふふん、と笑えば併走するようにライブラ一美人でスピードの鬼、いや、狼かな。
諜報担当のチェインが無表情でカメラを構えている。それビデオじゃね?撮ってどうすんの?


「もうちょっと派手な飛び方を」

「いや、俺大道芸人じゃねーし」

「っち」

「最近思うけど、チェインさんって俺に何求めてんの?」

「サービス精神…?」

「なんでそこ疑問系かなぁ。ま、いい暇つぶしだからいいんだけどさぁ」



敵同士なのにそんな雑談をしているのは、まぁ後ろの猿がだいっ嫌いだからなわけなんだが。
それにしたってなんでビデオ回してんの。ちょっと通信拝借するよー


【ふつーに写ってますね、ブラッドブリードじゃないですよ】


「なに、義眼くん、お仕事中?」


【わあ!!!? エデン!? どうやって通信入ってんだよ!?】


「えーなんかコソコソしてるとかぁ、まじぃーありえないっていうかぁあ?」


【うわうざっ! 今日はいつもより一段とウザイな!?】


「やだぁ〜それ褒めてんのぉ? 超うれしいぃ〜」


【やめろ! オネエかよ!】



うるせーまじコソコソすんなし。堂々とこいやゴラとか言ってやりたくなる。あ、言ったんだった。
あ、こらチェインは巻け巻けうるせーよ!? あんたディレクターとかプロデューサーなの!? 俺プロデュースされてんの!? アイドルなの!?


「あ。アイドルはいいなぁ。ちょっとときめくわぁ」

「ないわぁー」

「ファァッ!?」




今日も戦いながら世界は平和に回ってるらしいよ?世界の崩壊と隣りあわせで、ね?
俺はこの世界に仕返しがしたいし、追いかけてくるこいつらはソレを阻止したいらしいよ。
最後の最後まで、楽しませてくれるといいねぇ。うんうん。
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