廃倉庫

□トリップ小説
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序章「物語の分岐点」(瞳書き込み)

「ここにいれば、ば-ちゃんも気づくよね〜」

雪は苦笑しながら鳥居をくぐる。

「ま、だいごろーだしねー」

氷牙は冗談交じりに笑いながら同じようにくぐる。

「それってど−ゆ−意味さ−。一応先輩っしょ〜?あたし」

雪は少しむっとする。

「一応なの・・・・?」

飛鳥は自転車を押しながら鳥居の横を通る。


「うん。一応」
「っていうかだいごろ−先輩−」

沙奈はジト−ッとした目で雪を見た。

「な・・・なにっ?」

たじろぐ雪。

「ゲ−ム、返してくださいヨ〜」
「あ、忘れかけてた。ごめんごめん…」

赤いチェック柄の大きな手提げカバンの中からゲ−ムソフトと紙の束を手渡す

「ホイホーイ、確かに受け取りました〜」

それを抱えて沙奈は満足そうな顔をする。

「っていうか・・・待ってる間何する?暇なんだけど・・」
「さ-ちゃんの意見にさんせ〜」

沙奈と雪は氷牙の方を見る。

「何であたしの方を見るの…? はぁ・・・いいよ。じゃあさ、鳥居の上に石、乗せない? 願い事が叶うっていう言い伝えがあるらしいし・・・鳥居って。」
「マジマジっ!?おっもしろそ〜!」
「あたしもやってみる〜。ねこがやるなら」

雪と飛鳥は賛成のようだ。

「あ〜。あたし・・・パス。なんか起こったらやだし・・・・。」

沙奈はゲ−ムの説明書を眺め始める。

「うっわ〜。沙奈っち乗りわる〜」

氷牙は猫みたいにム−。となる。

「ま、いいじゃん? 早くやろ〜よ〜!」

雪がやたらとハイテンションなので始めることにした。

その結果・・・・。

「俺って天才〜?やり〜!」

氷牙。4つ。

「う〜ん・・・乗った・・・。一応」

飛鳥。2つ

「やったね〜! 一個のった〜!」

一個乗っただけで喜ぶ雪。

(めでたい奴…とその場の一同は思った)

「10個。」

うん…?

振り返る三人。
そこには一匹の白い狐。
尾はたくさんある。


「なんで狐がここに?」

言いつつも雪のほうを見る2人。


「な・・・なんであたしの方を見んのよ・・」
「類は友を呼ぶって言うかっあだっ」

ゴンッ。


雪は飛鳥の頭にゲンコツを入れる。
そして何もなかったように狐に歩み寄る。


「今、10個って言ったのって・・・白狐さん?(しろぎつね)」
「そうだけれども。何か?」

狐はニコリと笑った。

「そっか。どうして人間の言葉を話せるの?」

さらに質問を重ねる。

「ボクは式神ですから。当然ですよう。まぁ、人間に変化するためには鳥居の上に10個石を乗せないといけないのですがね」


平然と言ってのける狐。


「へぇ〜。じゃあさ、人間に変化できるんだ?」

沙奈は狐を覗き込む。
もちろんというように狐は威張る。

「あったりまえです!」

クルンッと宙返りしたかと思えば着物を着た一人の小柄な少女が立っている。
髪は腰まで長く頭には白い狐耳。

「でもさ〜どうして式神の狐があたしたち普通の人間の前に現れたの?」

氷牙は狐・・・百狐(ビャッキ)と名乗る式神狐にたずねる。


「それは貴方たち3人の願い事をかなえるためです」


すぱっと百狐は言い切った。

「お三方とも同じ願いだったようなのでボク一人で来たわけですよう」

三人は顔を見合わせる。

「ねぇ・・・。お願い事って・・・」


「「「異世界に行きたい」」」


うわ〜ハモッた〜。やだ〜…と沙奈は苦笑する。

「ね?だからあなた方を異世界に飛ばして差し上げますですよう」


なんともすごい偶然だ・・・。と言い合う三人。

「ちょっと待って!!ちゃんと元の世界に戻ってこれるよね?」


少し話がずれているがそこを問題にして聞く雪。


「えぇ。まぁ、一応。お三方の願い事は同じですので平等に石の数がカウントされますから、一人約ふたつ分ってとこですね。行くときに一つ、戻るときに一つ分を使います。」


突然鳥居が光に包まれる。


「な・・・なにっ?」

飛鳥が驚く。

「そこから異世界に飛べます。それと、とぶときは何も考えずにとんでください。知り合いとかを思い浮かべてたりするとその人も連れて行ってしまう可能性がありますから。そしたら石の数に入ってしまうので。」


鳥居の前にいた雪、氷牙、飛鳥は光に包まれる。


「え?え?」


三人が困惑してる中


「いってらっしゃい〜♪」と手を振っている百狐と呆然と事の成り行きを見ている沙奈が見え、そして光のせいで見えなくなった。
「(ええー…、明日部活で神岡先輩とししょーと勇気先輩に用事あるのに…)」

さっきの話を聞いてたのか聞いてなかったのか考える雪。


「(突然いわれてもなぁ・・・。うあ、時深先輩にマンガ返してない…怒られる…)」


「(そういえばだいごろ−の弟くん、巻き込んだらおもしろいかなぁ)」


なんてことをふたりは考えていた。


あぁ・・・・飛ばされるのは運命?それとも偶然?

これぞ一度は言ってみたかったまさしくスタ−ツア−ズ!

これからどうなる三人と道連れ五人。とぶのは鋼とテニプリと誰が知るか。しらねぇよ。さて物語が始まるよ。


分かれるのは3つ。「テニプリ」「鋼」「現実世界」さぁまずはどれから話が始まる?それは次の人次第。
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