企画展示室

□お題募集企画セカンドシーズン
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近頃、ノーナの様子がおかしい。
スティーブンと徹夜を二日したのが祟ったのか、目の下の隈が酷いのもそうなのだが、いつにもまして私から距離をとるようになった。
その動きは挙動不審で、理由をギルベルトにたずねても、秘密にしてほしいと口止めされているという有様だ。


「もうしばらく、様子を見てみたらいかがでしょうか」



苦笑いを含ませながら言われた言葉に、少しばかり余裕が持てた。
考え過ごしなのだろう、と。



しかし、日に日に徹夜も終わった翌日からも顔色が確実に悪くなる一方で、手には絆創膏も増えた。

さすがにそこまでとなると心配を通り越して、…なんだ?この通り越してという言葉の後の感情は。





居ても立っても居られず、私は彼女の作業スペースへ向うことにした。
しばらく入室禁止といわれていた気がするが、昨日はザップも入っていくのを確認している。
ならば、よいではないか、と。


「ノーナ!」


大きな声で部屋を開け、中に入れば、悲鳴と何かを隠す音。
ガタガタガタという明らかに動揺した音がした。

そちらに視線をやれば、件の彼女がおり、驚いたように目をぱちくりさせている。
どうして、と言いたげな顔に、一度私は頭をかいた。
ノックもナシに入ったことはさすがにわるいとおもってしまったが。


「あの、その! なななななんですか?! ラインヘルツさん!」

「きみは、最近生傷が耐えない。すこし前から心配はしていたのだが、さすがになんの相談もなくそんなに絆創膏だらけとなると、もういてもたっても…」

「…あああ…。そ、そうです、よ、ね…。まぁ、心配されます、よね」



あは、あははと笑う顔には、あまり力が無く、普段ザップやレオ、K・K、ギルベルト、ツェッド、チェインに見せている笑顔ではない。
スティーブンと話す彼女はいつも難しそうな顔をしているのは、なぜだろうか。
そして私のほうをみていつも顔をそらしたり、困った顔をするのは、なぜだろうか。


聞きたいことは以前からたくさんあった。
けれど彼女はそれに触れることは無く、そうすれば聞かれたらまずい話なのかと思いなにも聞けなくなってしまっていた。


「以前から、クラウスさんには…失礼な態度をしてしまって、すみません…。そのお詫びとかもかねて、プレゼントを用意していたんです」


まだ、つくりかけですけど、と隠していたと思われるものを出す彼女。
そこには、ヒマワリの花束を抱えた私を、すこしかわいらしくアレンジしたぬいぐるみ。
確かに、言われてみればいくつかの箇所には未完成らしき部分が見受けられる。

とてもよくできており、口元から笑みがこぼれた。



「私に…?か?」

「…はい。いつも、失礼な態度を、すみません…」



「そうか、そうだったのか…」


手に怪我をしていたのも、寝不足だったのも、そういうことだったのだ。
答えが分かれば、至極納得できた。



【向日葵が咲く頃に】


(嫌われたわけではなかったのだな…。)
(ココまでは言えたのはいいけど、これ、告白しずらいいいいい?!)
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