企画展示室

□お題募集企画セカンドシーズン
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最近、私に妹が出来た。
超可愛い妹だ。





「はじめまして、ミシェーラ・ウォッチです」



「あんた…こんな可愛い彼女いるなんて…!」

聞いてないわよ!



愚弟に詰め寄れば、困った表情で苦笑いをこぼしている。
まあ、私は基本的にあちこち自由気ままに飛び回っているフリーライターだし、そりゃ話を聞いてない性格もあるから覚えてないのかもしれないけれど!
それでも、きちんと紹介されなかったことがさびしかったのだ。お姉ちゃん悲しい!


「まあまあ、ノーナさん、こうやって会えたんですから」

「お姉ちゃん!」

「…ええっと…」

「お姉ちゃんって呼んでいいのよ! ミシェーラ!」


愚弟の次に彼女、ミシェーラに飛びつけば、その身長が低いことに気がついた。
ごめん、私メガネがないと周りがぼやけるのよ。


「あ、ちょっとごめんなさいね」



一度彼女から手を離して、かばんに入れていためがねをかければ、その全貌が明らかになった。
彼女は、車椅子に座っているのだ。
そして、その目には視力と言う光が、存在しなかった。

ミシェーラに視力が無くてよかったと、思ってしまう程度には口元は驚いていた。
察せられたかもしれないけれど、初対面、そしてメガネをかけていなかったからくる衝撃と理解してくれている、と信じたい。


「持病?」


先ほどのテンションを何とか抑え、優しく彼女の手を取れば、足?そんなもん飾りっすよ!と言いたげなまぶしい笑顔を見せてくれた。
何この子、超かわいいんだけど。


「昔からの付き合いなんです」


既にその事実が当たり前なのだという前向きな姿勢に、私は酷く感動した。
そして彼女は私の顔を確かめるように、ぺたぺたと手を当て始めた。
きっと私のパーソナルスペースの狭さを見破ってくれたからこそ、だろう。


私は、それとは別に気になっていたことがあった。



「その視力は?」


「…よく、わかりましたね」



口を丸くし、すこし意外そうな口調で言葉にする彼女。
視力、とピンポイントだったのが、気になったに違いない。



「気にするほどのものじゃないわ、あたし、世界をあちこち飛び回ってるじゃない? だからいろんなものを見てきてるの。あなたみたいに、視力の無い人も、ね?」

「…けど、これはそういう類のものじゃ、ないから」

「うん、しってる」


私の口元に手を当てたままの彼女は、気がついただろうか。その私の口は、にこやかにわらっていることに。
そうしれば、彼女も安心したのか再び口元には笑みが戻る。
信用は、してもらえたようだ。





それが私、ノーナ・マクラクランと、ミシェーラ・ウォッチ。


そして、私が一方的にひっそりと認識した、Drガミモヅとの出会いだった。




『ふむ、この男の姉は私が視えない、そうか。やはり、義眼でなければ…』



(義眼、ね。そうじゃなくても、視えるんだけどね)



【スノードーム】1
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