企画展示室
□お題募集企画
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(ノーロックヒロイン)
「にゃ、にゃー…?」
【撮影会】
拝啓 クソフェムトさま
貴様はどういう了見であたしにあんな薬を送ってきたのでしょうか。
ご丁寧に写るんですまで入れて。
わたくしは現在絶賛
ネコになっております。
「シノっちかわいいいいいいいい〜〜〜!」
つれて帰っていい?!クラッち!?と大騒ぎしているのはK・Kだ。
そこをやんわりと先ほどから断り続けているクラウス、しかしその手は半猫化したシノブのあごをこしょこしょとくすぐっているあたり、大丈夫ではないはずだ。
いや、なにしてんの、クラウス?! 抱っこしてK・Kから逃げてくれてるのはありがたいけどさ!?
半猫化、そうだ。
猫そのものではなく、身体が元よりも二分の一ほどに縮み、大きな猫耳がぴょこんと頭から生え、長い尻尾の生えた猫ヒト状態である。
この騒動の原因は、シノの世話役だった、堕落王フェムトの仕業だ。
シノブに向けて送られてきた包みを、差出人も確認させずシノ本人がツェッドに頼んで開けさせたのだ。
そこには上品そうなかわいらしいデザインの小瓶。その中には芳醇な果物の香りがする飲み物が入っていた。
以前なにかの懸賞に応募した際のプレゼントだと思ったのだと、シノは後に語っていた。
そんなわけあるか!
「いい加減、クラウスはシノを降ろしてやったらどうだい?」
「とかいちゃってー、自分だけ抱っこできてないものねー? スカーフェイスー?」
「…何が言いたいんだい? …K・K」
「ぅあのっ、そんな、怖い顔、しないで、にゃー…?」
「「かわいいから何でも許せる…!!!」」
その後、もみくちゃにされながらたくさん写真を撮られるシノブの姿があったそうな。
(…恥ずかしくて穴があったら入りたい…)