夢部屋

□【昼下がり】
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生きるとか、死ぬとか、この街じゃフツーなのかな。とたまに思うけれど、わりとみんな必死に生きてる。
今だったて、必死に逃げてるわけさ、こらそこ、また?!とか言わない。


「最近厄日かなにかなわけえっ!?」



今日もHLのあっちこっちで悲鳴が上がったりあがらなかったり。
いまはどっちかっていうと、あがってるほうかな?かなぁ?
本日は表通りをダッシュで逃げています。そうです、追いかけっこは毎度毎度してるんです。
なんで?! 大してあたしは悪いことしてないよね!? とばっちりよね!?
もうやだぁーと嘆きながら、あたしは後ろからおっかけてくるおっかない褐色イケメンから逃走中です。本当にありがとうござ(ry


「葉巻ポイ捨てしたからちょぉっと睨んだだけじゃないかああああああ!」



何がいけないの!? 地球に悪いことしてるのはタバコ吸ってるやつらよね!?
その褐色イケメンがまた足が速いのなんのってもんじゃないの、まじおかしいんじゃね? HLでもこんな早い人見たことないわ!あ。あったわ。
今回はさすがに前回いた義眼の少年はいないよ!? あたしが悪いのか!?


「どいてどいてぇえええ!」
「なんだぁ? ##NAME1##また追われてんの?」

「またしょーもねーことしたんだろー」


「うっさいわ! どいつもこいつもあたしに優しくしろってのぉ!」


見知った顔がたまにこちらを見かけて声をかけていく。
しかし守ってくれる気配は一切ない、薄情者めぇええええ!
だからさらにダッシュで、さらに人ごみに隠れるように走り抜けていく。
人の間をすり抜けるのは十八番なのよ!任せなさい!



「あまぁあああああ! ヤらせろやあああああ!」



お前はクズか! 初対面の女にヤらせろとかアホなの? 頭おかしくない?
睨んだだけでその有様とか、まじありえないんだけど!
今日は今日とて逃げを優先させていればそんな思考ばかりが飛び出してくる。
ワタシ マチガッテ ナイ ハズ


「いやじゃああああ!」



そこへ、


「あ、こないだの」
「んおっ」



急ブレーキをかけずにそのまま声をかけてきた少年を掻っ攫えば、それは前回の災難少年だった。


「うぁああああああ! なんで僕攫われてんですか!」
「今回はちゃんと開放したゲルから! あの追ってきてるチンピラなんとかしてよおお!」
「ええっ?」


肩で抱えられた少年は後ろから迫ってくる男を見て、うわって声を上げた。
え、なにその嫌な言い方。もしかしてこの少年拾ったらまずかった?と思ってもとき既に遅し。


「ザップさん! なにしてんすか!」
「知り合いかよおおおおおおお!」


ああ、嫌な予感的中したし、泣きたい。超泣ける自信あるわ!

「おいレオ!そいつとっ捕まえてくれよ!」
「いやっすよ! 一度助けられた恩がある人にそんなこと!」


勝手に会話始めないでくれよ!!
少年改めレオくんそのへんに放り出しちゃうよ!?
ダッシュで一度蹴り上げ高めの位置に降り立つ。
どおだ!ここまでこれシャキーーーーーン


「うわぁ、すっげえ切れ味ね」
「あの人強いですしね…」
「見下げたクズだとは思うぜ?」
「それは同感です」


「お前ら聞こえてるんだぜ…?」


「「わーーーーーーー!」」


気がついたらまん前にいるじゃないの! なにこいつキモ! こわっ!
これレオくんあたしの話に同感しちゃったから切られちゃうんじゃないの!
っていうか今日は大事な交渉があるのよ!こんなことして油売ってる場合じゃないのよ!
うわあああん!

「帰りたいぃいいいいいい!」



ひらりはらりとゲス褐色の振り込む剣を避けながら、それだけを叫んだ。
その行動に腹が立ったのか、てぇんめえええええ!という叫びがさらに大きくなった。




【火に油注いじゃったかな!?】



(もおやだああああああ!)
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