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□山の頂上と
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「おはよう、また今日もダイエット?」


箱根の山にある坂道。


私はこの急な坂道を、いつも歩いて登る。


通学の道ってわけじゃないんだけど…毎朝登っているのは


毎朝、真波くんと出会うから。


私は、彼が自転車で坂を登る姿を見るのが大好きで…


運動がてら、私はほぼ毎日この箱根の山をジョギングしていた。


そんな時、後ろからふと声をかけられて振り向けば


「…真波くん!」


急な坂を、涼しげな顔をして笑顔で走るクラスメイト。


今日もニコニコしながら声をかけてくれた


「ねぇ、ハセガワさん知ってた?」


「何ー?」


「俺、ハセガワさんを一人占めできたらって思ってるんだよね。」


「は…!?」


「早朝の山でさ、登った先にいつも君がいるんだ。この景色、他の男に渡したくなくて…」


え、えぇ!?急に何を言ってるの真波くん…っ


「結構、独占欲が強いんだ。これは君に出会ってから気付いたんだよ?」


「そんな…っ!恥ずかしい事をサラッと……」


「僕をこんな風にしたのは君だよ?責任を取って貰わなきゃ僕が困る。」


ニコニコしていたはずなのに、いつの間にか真剣な眼差し。


ジッと見つめてくる…吸い込まれそうな綺麗な瞳…


「君が、大好きだ。」


そう言うと、またいつもの笑顔に戻ってニッコリ微笑んだ。


ああ、神様これが夢なら覚めないで…いっそ永久に……


私の目の前で白い天使みたいな羽を見たような気がした。。

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